
塾に通っているのに成績が上がりません。今の塾を変えた方がよいのでしょうか?

結果だけで決める前に、安全面と通塾目的、答案や教材、今の塾でできる調整を順番に確認しましょう。
この記事で分かること
- 7つの確認よりも、休養・負担調整・相談を優先した方がよい状態
- 通塾目的と手元の資料を使って、成績が伸びない状態を整理する方法
- 今の塾を続ける、塾内で調整する、支援方法を見直す判断の違い
- 必要な場合に、次の支援方法を整理するタイミング
先に結論
成績が上がらないという結果だけで、今の塾を続けるか、変えるかを決める必要はありません。
まず健康・安全面を確認したうえで、次の内容を無料で確かめます。
- 何を目的に塾へ通っているのか
- 前回と今回を同じ条件の資料で比べているか
- 答案や教材のどこで止まっているか
- 今の塾でどのような調整ができるか
一つの調整、確認する材料、次の確認日を具体的に決められるなら、その結果を見てから再判断します。
必要な支援を現在の塾で行えない場合に、支援方法の見直しを検討します。
7確認へ進む前の安全分岐
成績や塾の見直しよりも、先に心身の状態と安全を確認してください。
次の状態が中心にある場合は、この記事の7確認をいったん止め、休養、家庭での負担調整、学校や相談機関への相談を優先します。
- 睡眠不足が続いている
- 遅刻や欠席が続いている、学校へ行きづらい
- 強い不安や通塾拒否がある
- 泣く、強い体調不良など、日常生活への影響が続いている
- 塾での強い恐怖や、安全上の問題がある
厚生労働省のガイドでは、中学・高校生は8〜10時間を参考に睡眠時間を確保するとされています。
ただし、8〜10時間は全員に一律の義務ではありません。個人差があるため、朝に休めた感じがあるか、日中に強い眠気がないかも合わせて見ます。
睡眠には、記憶や学習内容の定着・強化を支える役割がありますが、長く眠れば必ず成績が上がるという意味ではありません。
強い不安や体調不良が続き、日常生活に影響しているときは、勉強方法を増やす前に、学校や相談機関への相談を検討してください。
欠席が続く、学校へ行きづらい状態がある場合は、在籍校のほか、地域の教育センター・教育相談所・教育支援センターなどへ相談できます。窓口の名称、対象、利用方法は地域によって異なります。
「24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)」は、子どもや保護者などが24時間、無料で相談できる窓口です。原則として、電話をかけた所在地の教育委員会の相談機関につながります。一部のIP電話では接続できない場合があります。
この記事で診断はできません。一時的な緊張や一場面だけで病気と決めることもできません。
迷う場合も、追加の学習を急ぐのではなく、まず負担を減らし、相談できる場所につないでください。
上の状態が中心ではない場合は、次の7項目を順番に確認します。
原因を分ける7つの確認
ここからは、本人、家庭、塾のどれか一つを原因と決めつけません。
目的、成績資料、答案、定着の様子、塾の支援内容を順に見て、必要な支援と現在の支援のずれを整理します。
確認1|塾へ通う目的は何だったか
最初に、塾へ通う目的を確認します。
- 定期テスト
- 通知表
- 受験
- 学習習慣
むー先生の経験では、学校の成績を上げるための通塾と、受験対策のための通塾では、見るべき成果や必要な支援が異なります。
定期テスト、通知表、受験、学習習慣を全部まとめて「伸びていない」と判断すると、塾へ何を相談すればよいのかも曖昧になります。
現在いちばん優先したい目的を一つ決め、以後はその目的に関係する資料を見ていきましょう。
確認2|成績を同じ条件で比べているか
前回と今回で、同じ目的・同じ種類の資料を比べているかを確認します。
定期テストなら定期テスト同士、通知表なら通知表同士、受験成績なら受験成績同士を見る、という考え方です。
通知表を目的にしている場合は、定期テストの点数だけで全体を判断しないようにします。
2026年8月現在、中学校の各教科の学習評価は、次の3観点で整理されています。
- 知識・技能
- 思考・判断・表現
- 主体的に学習に取り組む態度
定期テストは重要な評価資料の一つですが、点数だけから通知表の評価全体を読み切ることはできません。具体的にどの資料を使い、どのように総括しているかは、学校・教科で確認します。
また、点数がまだ大きく変わっていなくても、答案の中に途中の変化が見える場合があります。
ただし、その変化があれば必ず成績が上がるという意味ではありません。次の確認では、点数と答案の中身を分けて見ます。
確認3|答案から、止まっている場所を見つけられるか
むー先生の経験では、答案を見るときに次の点を確認してきました。
- 白紙が減っているか
- 途中式を書くようになっているか
- 基本問題の正解が増えているか
- 同じ誤りを繰り返していないか
- 時間切れになる位置が変わっているか
- 最後まで取り組もうとしているか
これらは、点数だけでは見えない途中経過です。これらが成績上昇の前兆だとは断定できず、成果を保証するものでもありません。
学校現場で見てきた範囲では、数学で今の単元の考え方を理解できていても、途中の計算で失点することがありました。
正負の数、文字式のルール、指数、分数など、前に学んだ計算規則が関係している場合もありました。
これは数学での確認例です。他教科やすべての成績不振に当てはめるものではありません。
「分かっていない」とまとめず、考え方で止まったのか、途中の計算で止まったのかを分けて見ます。
答案に、止まった箇所と前回より変わった箇所をそれぞれ印で残しておくと、塾へ相談するときの材料になります。
確認4|塾の外で、最初の一手・解き直し・後日の再挑戦までできるか
宿題を終えたかどうかだけでなく、時間を空けた後に、自力でもう一度解けるかを確認します。
むー先生の経験では、宿題をしたかだけでなく、後日、同じ問題や同じ考え方を使う問題を自力で解けるかを見ていました。
次の3点を分けると、どこに支援が必要かが見えやすくなります。
- 一人で問題に取りかかれるか
- 解き直しのどこで止まるか
- 分からないときに解決する方法があるか
公式資料では、挙手や発言など、一つの行動だけで「主体的に学習に取り組む態度」を評価しない趣旨が示されています。
むー先生の経験では、先生への質問が恥ずかしくても、友達や保護者に聞く、教科書で調べる、AIで確認するなど、別の方法で解決しようとする生徒もいました。
ここでAIの利用自体を勧めたり、回答の正確さを保証したりするものではありません。大切なのは、別の方法で確認した後に、自力で解けるようになったかです。
まずは宿題の中から一問を選び、後日、答えを見ずに解き直してみましょう。
確認5|塾の学習内容が、通塾目的に合っているか
学校と塾の進度が違うこと自体を、すぐ問題とは考えません。
定期テスト対策、受験対策、苦手単元の復習など、塾で扱っている内容が現在の通塾目的に合っているかを確認します。
通知表を目的にしている場合、定期テスト点だけで全体を判断することはできません。
「主体的に学習に取り組む態度」は、知識・技能などの獲得に向けて粘り強く取り組み、自ら学習を調整しようとしているかを含めて評価します。
挙手や発言、ノートの取り方、提出したかどうかなど、一つの形式だけで決まるものではありません。
ただし、提出物の内容などが評価資料になる場合はあるため、具体的な評価方法は学校・教科で確認します。
むー先生の経験では、塾でテスト対策に取り組めても、家庭が期待する支援のすべてを現在の塾だけで行えるとは限りません。
ただし、これは「塾では通知表に対応できない」という意味ではありません。実際にどこまで支援できるかは、塾ごとに確認が必要です。
個別指導だから必ず解決する、集団塾だからフォローできない、とは判断しません。指導形式の名称ではなく、つまずいたときに実際にどのようなフォローがあるかを見ます。
確認6|子どもと塾の双方へ事実を確認したか
子どもの話だけ、塾からの報告だけで結論を出さず、次の情報をつなげます。
- 学校の通知表や答案
- 家庭での勉強の様子
- 塾での取り組み方や報告
むー先生の経験では、通知表、家庭での勉強の様子、塾での様子を合わせることが、原因を整理する材料になりました。
一方で、学校の答案や通知表、生徒・保護者の話から分かることはあっても、塾内部の授業方法、進路指導、生徒の把握、フォロー体制までは、学校教員の立場から外部だけで確認できません。
現在の塾には、次のように具体的に聞きます。
- 今、どこでつまずいていると見ていますか
- 困っている生徒を、誰が、いつ、どのように確認していますか
- どこまで支援する仕組みがありますか
- 受験が目的の場合、進路指導はどこまで行っていますか
問い詰めるためではなく、必要な支援を一緒に具体化するための質問です。
子どもと塾の双方へ、同じ論点を確認しましょう。
確認7|一つの調整・確認材料・確認日を決めたか
「しばらく様子を見ましょう」で終わらせず、何を変え、何を見て、いつ再判断するかを決めます。
講師、クラス、宿題量、質問方法などを変えられるか、現在の塾へ確認してください。
まず、現在の塾でできる調整を確認し、その中から追加料金なしでできることを先に検討します。一度に複数の教材やサービスを追加せず、一つの調整に絞ります。
むー先生の経験では、調整後の短期的な確認として、まず2〜4週間後に宿題や解き直しを見ていました。
必要に応じて、同じ内容で作り直した確認問題も使い、自力で解ける範囲や同じ誤りの変化を確認していました。
ただし、2〜4週間は経験上の短期確認の目安であり、全員共通の効果判定期間ではありません。その後、次の定期テストを中期的な判断材料にしていました。
ご家庭では、まず宿題や解き直しを使ってください。塾や学校に同じ考え方を使う問題や確認問題があれば、それも活用できます。
次の3項目を、塾と共有できる形でメモします。
- 一つの調整:
- 確認する材料:
- 次の確認日:
むー先生の現場メモ
学校現場で見てきた範囲では、点数だけでなく、白紙、途中式、同じ誤り、基本問題、時間切れの位置、最後まで取り組む様子から、学習の途中経過を整理してきました。
ただし、これらは必ず点数が上がる前兆ではありません。
数学では、今の単元の考え方を理解しているかと、途中の計算処理で止まっていないかを分けて見ます。正負の数、文字式、指数、分数など、前に学んだ計算規則が影響している場合もありました。
一方、学校教員の立場から、塾内部の授業方法、進路指導、生徒の把握、フォロー体制を外部だけで判断することはできません。
指導形式の名称で決めつけず、「誰が、いつ、どのように確認し、どこまで支援するのか」を現在の塾へ直接確認します。
無料でできること
有料の教材や新しいサービスを探す前に、次の順で確認します。
- 答案、通知表、学校ワーク、塾教材、宿題、塾からの報告を一か所に集める
- 現在の最優先の通塾目的を一つ書く
- 同じ目的・同じ種類の資料を並べ、止まっている箇所と途中の変化を確認する
- 子どもへ、どこで止まり、どのように解決しているかを聞く
- 現在の塾へ支援内容とフォロー体制を確認し、一つの調整、確認する材料、次の確認日を決める
ここまでで必要な支援が具体化できれば、すぐに新しい教材やサービスを増やす必要はありません。
続ける・塾内で調整する・支援方法を見直す判断
次の3つは、7確認で集めた情報を次の行動へつなげるための整理です。すべての塾に共通する効果判定基準ではありません。
また、1回のテストで点数が上がらなかったことだけでは、支援方法の見直しへ進みません。
安全分岐に当てはまる状態が中心なら、この判断ではなく、休養・負担調整・相談を優先してください。
続ける
通塾目的と支援内容が合い、必要なフォローと確認方法が具体的で、途中の証拠に変化がある、または合意した調整を確認している途中なら、決めた材料と確認日に沿って続け、再判断します。
塾内で調整する
必要な支援を現在の塾で行えるものの、講師、クラス、宿題量、質問方法、フォローの具体化が必要なら、追加料金なしで可能な調整を先に確認し、一つだけ実施します。
支援方法を見直す
必要な支援を現在の塾で行えない、相談しても課題・対応・確認方法が具体化されない、合意した調整が実施されない、実施後も同じつまずきが続く、通塾時間や宿題によって家庭学習や睡眠が崩れている、または必要な支援自体が変わった場合は、安全分岐に当てはまらないことを確認したうえで、支援方法の違いを整理します。
必要な支援方法を整理したい方へ
今の支援で必要なフォローを行えない場合は、次のページで支援方法の違いを整理できます。
このページへ進むのは、子どもと塾の双方へ確認し、現在の塾でできる調整を検討した後です。
1回のテストで点数が上がらなかっただけの場合や、まだ状況を確認していない場合は、先に7確認を進めてください。
睡眠不足、欠席、強い不安、通塾拒否、体調不良、安全上の問題などが中心の場合は、このページへは進まず、休養・負担調整・学校や相談機関への相談を優先してください。
今日すること1つ
紙またはスマホのメモに、次の一文を書いてください。
塾へ通う最優先の目的:定期テスト/通知表/受験/学習習慣
この中から一つだけ選びます。
目的が決まると、次に見る成績資料と、塾へ確認する内容を絞りやすくなります。
まとめ
塾に通っているのに成績が上がらないときも、結果だけで転塾を決める必要はありません。
最初に心身の状態と安全を確認し、安全分岐に当てはまる状態が中心でなければ、通塾目的、同じ条件の資料、答案、定着の様子、塾の支援内容を順に見ます。
家庭と現在の塾で無料でできる確認と、一つの調整を先に行いましょう。
必要な支援を現在の塾で行えない場合は、支援方法を見直します。反対に、必要な支援と確認方法が具体的なら、決めた材料と確認日に沿って続けてから再判断できます。
まず今日、最優先の通塾目的を一つだけ書いてみてください。
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